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こんにちわ、五十嵐です。

次の週末、600kmのブルベをランドナーで走ります・・・
という記事を書きかけていたのですが、風邪を引いてしまいました。

600kmのブルベとは、2年前に挑戦し、敢え無く撤退したAJ千葉主催の喜多方600kmです。
喜多方600km1
正式名称は“BRM927千葉600km(喜多方)”。
9月27日(土)午前0時に地元柏の道の駅しょうなんをスタート、
40時間以内に喜多方、会津磐梯山をまわって柏まで帰ってくるというイベントです。

2年前のBRM908千葉600km(喜多方)は寝不足、猛暑による疲労、それが登坂方法の粗さを招き、膝を痛め、未熟な知識と間違った判断、読みの甘さで関節痛を重症化させ、歩くことさえできなくなりDNF(リタイア)・・・。

昨年のBRM921千葉600km(裏磐梯)はたくさんの人に支えられ、なんとか完走したものの、
やはり喜多方600kmを完走しなければ、雪辱を果たしたことになりません。


ところが3日前、水曜日の朝にダルさで起きられず、体温は37.7度・・・。
病院で処方された漢方薬が身体に合わず、熱は下がらず、食事もできず。

キャンセル待ちの人のために自分は出走を止めるべきかもしれない。
この体調でも走りきれる自信がある。
走ることに、雪辱を果たすことに意味はない。
走り出せば風邪は治る、きっと治る。
DNFする覚悟がある。
僕は完走する。
必ず。

スタートの2時間前、横になったまま体温を測ると36.9度。
ここでようやく出走を決心。着替えを済ませて家族に気付かれないようこそっと出発。
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日付けが変わり、9月27日(土)0時10分に第2ウェーブでスタート。
40時間、つまり翌28日(日)16時10分までにゴールすれば完走として認定されます。


咳き込めば間違いなく気管支炎を再発するし、鼻をすすれば再び風邪を引く原因になる。
咳払いで堪え、まめに鼻水をかみながら進み続けます。
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ついコーヒーが飲みたくなってコンビニに寄りみち。
大好きなんです、マックスコーヒー。

体力を消耗せず、最小限のパワーで走るなら、全てのチェックポイントをクローズ直前に通ればよいのですが、
合計の獲得標高6,500m、磐梯山や土湯峠、魔の石川農道などの勾配を考えると、時間を貯めておかなければなりません。

86km地点・PC1(最初のチェックポイント)セブンイレブン益子七井店に4時に到着。
このPCがクローズするまで1時間40分。

170km地点・PC2ミニストップ白河厚生病院前店には9時に到着。
このPCがクローズするまで2時間30分。

この貯めた時間を、この先の山岳地帯にどう分配するかが運命を左右するのです。
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夜が明け日が昇ると気温が瞬く間に上昇し、疲労感や睡魔に襲われるのは言うまでもありません。
突然緊張の糸が切れて、脚が動かなくなり、全身から血液が抜けたような感覚に。

大声で弱音を吐いて、わめいて、しばらくすれば回復するとわかっていても辛いのです。
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それでも参加が重なり同行している後輩T君(明星大学)は面倒見が良く、今回もなさけない先輩を牽引してくれます。

一昨年の喜多方600kmでは一眼レフと、寝袋まで持ってここを走ったなんてことを思い出したり、
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また昨年の裏磐梯600kmでは、帰路でここを通ったことを思い出したり。

クロモリトンネル…!!
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今年は停まらずに、先へ先へと進みます。
病床でも同じように駆け抜けていく夢を見ていたので、走っている現実と夢の間を彷徨っているような気がします。

会津盆地へと駆け下り、13時30分に257km地点、PC3・道の駅 喜多の里に到着。
『ランドヌール』(ひびき出版)で人気のWさんに初めてお会いすることができました!
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今年はここで喜多方ラーメンを食べる!と決めていたものの、胃が萎縮しているし、時間は無いし・・・

と諦めていたのですが、Wさんのようにガッツリ食べればパワーが出るかも!
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おにぎりとパン、プリンだけで走ってきたので、意外にもあっさり完食!
T君は大盛りを倍の速さで完食していました(汗)

20分ほどの仮眠室で横になり、喜多の里には1時間ほど滞在。

クローズまで2時間30分を残して磐梯山へと走り出しました。
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絶対に立ち漕ぎしない、絶対に重いギアを踏まない・・・教訓を活かして進むものの、
DNFした一昨年とほぼ同じ時刻に、同じ場所で、同じ夕陽を見ると、いつになく冷静に。

一昨年痛めた右ひざが痛い…
まだ少し熱があるし、呼吸が苦しい。
猪苗代に下りてDNFし、輪行で郡山のホテルに向かおう。
土湯峠と、深夜の阿武隈山地は凍えるほど寒いはずだ。
仕事がある、仕事がある・・・。


T君は一緒に走ろうとペースを落としてくれるものの、完走できる成算はほぼゼロ。
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「郡山でDNFすると決めたから」といって何とかT君と別れて、彼の姿が小さくなっていって正直安心しました。
これ以上T君の足を引っ張るのが辛かったし、彼だけでも完走して、スーパーランドナーの称号を獲ってほしい。

それに、僕は自分の力でここを越えなければならない。

桧原湖の紅葉は夕陽に照らされて燃えるように美しく、湖の青さはとても深く、
一瞬のうちに記憶に焼き付けられました。

夏用のインナー、ジャージの上に、10℃以下用のジャケットを羽織って土湯峠へ。

右ひざが痛むものの、内股で漕げば問題ありません。
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インナー×ローでゆっくり、確実に。

郡山まで走らなければならない。
そして、もしもホテルで休んで調子が良ければ再び走り出したい。
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19時34分、標高1,240mの土湯峠に到着。
ここまでの距離は320km、気温は7℃。

ようやく完走が見えてきた気がした一方で、朝まで同じくらいの気温の中を走り続けられるのか、という素朴な不安も。
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走り続けるなら370km地点の郡山を24時過ぎには出発しなければなりません。
2時間後の22時に郡山駅前に着けば、ホテルで2時間休憩できます。

土湯峠からひたすら山を下り、345km地点・PC4 ファミリーマートあだたら高原岳温泉店を20時30分に通過。
ここから再びT君に牽いてもらい(汗)、360km地点・PC5 セブンイレブン郡山喜久田店には21時20分に到着。

あとはコースから逸れてホテルに向かうのみ・・・
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問題は“どこでコースから外れるか”です。
T君はナビゲーションが表示した赤い線のようなコースを提案しましたが、この提案は即却下しました。

頼りになる後輩にわがままを言うのは心苦しいのですが、このような場合、地形と獲得標高を考える必要があります。
東北本線から東西方向に離れるほどゆるやかに標高が高くなる、東北本線は谷底を走っているような地形です。

そうすると、赤いコースだと必然的に獲得標高が増えるはず。
赤いコースだとPC5から阿武隈川を渡るまで、距離は18.8km、獲得標高は上り53m・下り78m。
一方で青いコースだと同じ区間で、距離は18.4km、獲得標高上り35m、下り59m。
距離は400m、上り獲得標高が18mの差が出るのです・・・!

T君、理解してもらえたかな?


22時に郡山駅前のビジネスホテルに到着。
ホテルがコースから外れてしまったのは、予約が遅くここしか取れなかったからなのですが、ホテル内にコンビニが併設されていたり、自転車をロビーに置かせてもらえたり、棚ぼたに恵まれました(笑)

「わずか2時間のためにビジネスホテル・・・」と思われるかもしれませんが、着替えを送っておくことも、温かい浴槽で身体を温めながら食事を摂ることも可能です。何より、目覚まし時計の音で周囲に気を使う必要もありません。
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買い物、入浴しながら食事、電池交換を済ませて23時に横になり、寝転がっていたのは1時間ほど。
風邪薬のせいか最初の30分は幻覚幻聴に魘され、フロント係が枕元でチェックアウトの定義を説明し始めたり、草野球を始めたり…そのあとはうとうとして30分・・・。
アラームで起こされた時にはすでにまぶたが重く、このまま寝続ければ・・・と迷いましたが、力を振り絞って起床。

T君は1時過ぎに出発するというので起こさず、ノロい僕だけ9月28日(日)0時過ぎに出発。
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郡山といわきを結ぶ国道49号線では、特殊大型貨物とすれ違いました・・・!
トンネルを掘るシールドマシンなのか、それにしては細いようなので何かのタンクなのか・・・ロケットの胴体という話も聞きましたが、無防備な姿で運ぶだろうか・・・。

気温は6℃。次の通過チェックのコンビニに着いたら使い捨てカイロと、温かいお茶を買って、それを飲みながらおにぎりや補給食を食べれば寒さをしのげる・・・。

1時間半ほどで398km地点、通過チェックに指定されているセブンイレブン福島平田店に到着。
クローズはありませんが、仮にクローズ時刻を算出すると2時32分にはここを出なければなりません。
しかしここでとんでもないトラブルが!そう、カイロがまだ入荷していないというのです!
白河でも、喜多方でも、郡山でもあったのに・・・。

しかたなくバスタオルを購入し、ジャケットの中で腹巻のように巻いて再出発。
ここから40kmの石川農道は途中に補給できる場所がほとんどなく、山あいを貫く広域農道です。
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民家がまばらにあり、自販機は1か所のみ・・・ひたすらアップダウンが続くので、標高図以上に体力を消耗します。

一昨年は磐梯山でひざを痛め、仮眠もせずにギリギリのスピードでこのあたりを走っていた僕には最も苦い思い出のある道。
今年はひざの痛みをシフトチェンジでカバーし、余裕さえ感じました。

東の空が明るくなる頃に水郡線の磐城棚倉を通過。
先行の参加者の方が何人か自販機の前で一服しているので話を聞くと、次のPC6のクローズに間に合いそうもなく、DNFするとのこと・・・。
463km地点のPC6まであと24km、あと1時間半。たしかに難しそうですが、この先には八溝山の北尾根を越える戸中峠がり、そこまでゆるやかな上り坂が14km。その先は40km/hで下れば十分間に合うはずだから・・・そう説明すると皆再び走り始めてくれました。

温かい飲み物が欲しくなり、コンビニで5分ほど休憩。最後尾集団の最後尾になりましたが、
大丈夫です、一昨年は両ひざを痛めた僕でも1時間半で間に合ったのですから(笑)

今年は戸中峠(とちゅうとうげ)を励ましあいながら越えて、前にいた全員が峠まで来たことを確認してPC6へ滑降。
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463km地点、PC6・セブンイレブン那須伊王野店には6時48分に到着。クローズまであと20分。

朝食はカットフルーツ、みそしる、きのこパスタ・・・
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炭水化物を効率よく吸収するにはパスタから食べたいのですが、口の中が荒れているので、フルーツから食べます。

このあとは気温が上がるのでジャケットやバスタオル、予備のモバイルチャージャーを宅急便で自宅に送り返して軽量化。
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ボンベ2本とチューブ、輪行袋は手放せず、このまま携行。

クローズ時刻が刻一刻と迫るのですが、峠の手前で話したSさんが来ない・・・。
元気だったのに、峠のすぐ手前まで一緒だったのに、どうしたのだろう・・・。

無情にもクローズ時刻が過ぎ、5分遅れでSさんが到着。
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なんと、峠を越えてすぐにパンクしてしまい、チューブを変えて下ってきたものの間に合わなかったと・・・。

疲労が溜まったせいか感極まり、つい同情し、やるせない気持ちになりました。
「あとは託したから、絶対にゴールしてほしい。」その一言に奮い立たされ、完走を約束して伊王野を出発。

ブルベはお互いに支え、想い、それを背負って走るのです。



日が昇り、気温が上がり、寒い時には感じなかった味覚に異常に気付き、まぶたが熱くなり、とうとう眠気を感じ・・・。
もう山はなく、いくつか小高い丘を越える程度。しかし平地こそ休みなく漕ぎ続けなければならず、辛いものなのです。

ひたすら漕ぎ続ける、疲れる、漕ぎ続ける・・・。

ランドナーはブルベの世界でごく少数派ですが、僕はランドナーでなければここまで来られなかったと思うのです。
いつでもフロントバックから食料を取り出せる。低速でも安定感がある。乗り心地が柔らかい。ラクな乗車姿勢。
もちろん重いし、シフトチェンジは手元シフトのほうがラクだけど、これを技量で何とかするのも楽しかったり。

ランドナーに惚れ直してしまったので、最後に大きな賭けをすることに(笑)
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526km地点、真岡鉄道の益子駅付近でギリギリまで待って、SLとのツーショットに挑戦!

あと80km。あと4時間30分。
手賀沼にゴールする姿が想像できるようになりましたが、水分補給を怠ればすぐに熱中症になりそうな暑さ。

ポカリスエットにソルティーライチとサイダーを混ぜて、口あたりをよくしてなんとかカロリーメイトを胃に押し込み、前へ前へ…。


573km地点、PC7・セブンイレブンつくば桜柴崎店をクローズ10分前に到着。
軒先に座りこんでこんにゃくゼリーを食べて一息つくとあっという間に30分が経過…。

戸中峠へからほぼ同じペースて走ってきたKさんに「そろそろ危ない…」と言われ時計を見ると14時40分…。

1時間30分で31km…
もう考えることは時間と距離のことだけ。

地図、標高図、スピード、風向きなどの様々な情報が脳内を駆け巡り、
どこにこれだけの力が残っていたのか自分でもわからない速さで、ゴールに向かって疾走。

疲れが吹き飛んで、覚醒して駆け抜ける気持ちよさ。これぞブルベの魅力!

ゴールのセブンイレブン取手店に16時5分に到着!クローズまで残り5分、604kmを39時間55分で走破しました!

2年前には見られなかったゴールの景色、見慣れた地元手賀沼の夕陽に感動しました。
あとは10月に300kmを完走すれば2年連続でSR(スーパーランドナー)の称号を取得、来年フランスで開催されるPBP(パリ~ブレスト~パリ1200km)に参加できる可能性が出てきます!
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[2014/10/03 17:13] | 未分類
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